Vol.421 2025.1.28

音楽・美術の旅 メールニュース
 
Column

空にいる時間 その1

 昨年12月に日伊間を結ぶANA(全日本空輸)の直行便が就航している。

 実際、ミラノにあるマルペンサ空港より搭乗したわたしは、年明けの1月15日に羽田空港へ到着、新たな風を感じている。

 本当に久しぶりだった直行便。日本とイタリアの行き来において、わたしが最後に搭乗した便が、アリタリア航空の最終運行便となった2020年。ローマはフィウミチーノ(レオナルド・ダ・ヴィンチ)空港より成田行きというルートを辿った。その年の3月末、イタリア国内よりコロナの感染拡大がはじまったことで日常が失われたこともあり、わたしが家族を伴い日本への一時退去を決めた便が、奇しくもそのアリタリアの日伊間における最後となる直行便だった。アリタリア社は、その後2021年10月に70年におよぶ歴史に幕を下ろしている。

 それから5年の月日が経ったわけである。途中、ITAエアウェイズというイタリアのフラッグ・キャリア(国営航空会社)が、ローマ~羽田間において就航してはいるが、わたし自身あまり気乗りしなかったこともあり、このエア会社便を一度も利用したことはない。
ANAによる直行便、実はかなり昔にはなるが関西国際空港発着の便が日伊間を運行していたことがあった。わたしの記憶の中に詳細なデータが残っているわけではないが、調べたところによると1996年より3年間だけ飛んでいたとある。ミラノ便、ローマ便と分けられて、郷里の鹿児島から近距離ということもあって数回ではあったがその関空発着便を利用したこともある。

 30余年をイタリアで暮らしながら、もちろん様々なエア会社にお世話になってきた。

 最初の欧州へ向かうフライトはアエロフロートというロシアのフラッグエアであった。金銭的なこと、安全度など何もわからずのまま、知人、友人からのアドバイスをもとにイタリア行きの最も安い航空券を購入した。モスクワでのトランジット、そしてそこで一夜を過ごして翌日にミラノへ向かうという、行き当たりばったりの初海外だったことはやはりいまでも感慨深い。クレムリンなどモスクワの町をただバスの車窓から見学する、一歩たりとも車外には出ることの許されない、何とも奇妙なオプションを体験したことは、後にも先にもその時ばかりであった。

 イタリアに渡りしばらくの間はあまり日本に戻ることはなかった。2年に1度くらいだったのだろうか。学ぶものであって、稼ぐあてがなかったことが何よりの理由だが、イタリアに夢中過ぎて日本への郷愁を感じない、要するに若かったのだろうと思う。イタリアを思う存分吸収したいと躍起になっていた時分が懐かしい。

堂満尚樹(音楽ライター)
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【催行決定!】
バーデン・バーデンイースター音楽祭
&ウィーン 10日間
2025年4月14日(月)~ 4月23日(水)

◆「バーデン・バーデンイースター音楽祭&ウィーン 10日間」
旅行期間:2025年4月14日(月)~ 4月23日(水)10日間

2025年はベルリン・フィルが演奏するラスト・イヤー!K.ペトレンコ&K.マケラのバーデン・バーデン音楽祭とウィーンでティーレマン指揮《アラベラ》、コーバー指揮&K.F.フォークト出演《パルジファル》ヨンチェーヴァ&ファビアーノ、サルシ出演《アンドレア・シェニエ》を鑑賞!

【好評発売中!】
華麗なるメトロポリタンオペラ!陽春のニューヨーク 6日間
2025年4月24日(木)~4月29日(火)

◆「華麗なるメトロポリタンオペラ!陽春のニューヨーク 6日間」
旅行期間:2025年4月24日(木)~4月29日(火)6日間

旬のキャストが揃ったシーズン後半注目のMETライブビューイング撮影公演!幸福感あふれる音楽で描かるモーツァルトの大人気名作オペラ《フィガロの結婚》、話題の新演出!A.ブルー&E.ガランチャ&B.ジェイド演、壮大華麗な舞台が見どころの《アイーダ》を鑑賞!

【パンフレット完成!】
音楽評論家加藤浩子と行く バッハへの旅10日間
2025年6月15日(日)~24日(火)

グラントホテルに泊まる!ウィーン滞在7日間
2025年6月9日(月)~15日(日)

◆「 音楽評論家加藤浩子と行く バッハへの旅10日間 」のパンフレットが完成いたしました!
~ザクセン、テューリンゲンにバッハゆかりの地を訪ね、ライプツィヒ・バッハフェスティバルで世界最高峰のバッハ演奏に出逢う!2000年以来延べ40回(「バッハへの旅」「続バッハへの旅」合計)、延べ876名様ご参加の音楽ツアーのベストセラー~


◆「 グラントホテルに泊まる!ウィーン滞在7日間 」のパンフレットが完成いたしました!
~音楽の都・ウィーンにゆったり滞在し、楽友協会にてメスト指揮「ウィーン・フィル」&ウィーン国立歌劇場にて《ばらの騎士》を鑑賞!~

「ウェルナー・ヒンク」メモリアルコンサートのご案内
2月10日(月)開催

 昨年惜しまれつつこの世を去ったウィーン・フィル名誉コンサートマスターであり、世界的ヴァイオリニストのウェルナー・ヒンク氏を偲び、「ウェルナー・ヒンク」メモリアルコンサートを2025年2月10日(月)によみうり大手町ホールで開催いたします。
 このコンサートは、ヒンク氏と縁の深いウィーン・アンサンブルVIMCAのメンバーの発案により急遽実現しました。演奏にはウィーン・フィルのメンバーを中心とした一流音楽家が集い、氏への敬意を込めた演奏をお届けします。
 プログラムは、ヒンク氏が愛したハイドンやモーツァルトの名作を中心に構成。また、ヨハン・シュトラウス2世生誕200周年を記念し、氏を偲ぶ特別な楽曲も演奏します。当社のウィーン・フィルニューイヤーコンサート鑑賞ツアーでも、ヒンク氏には多大なるご尽力をいただきました。ぜひ、この特別なコンサートを通じて、氏の音楽と想いを感じていただければ幸いです。

お申し込み方法
チケットは「チケットぴあ」のみでのお取り扱いとなります

開催概要
  ●日時:2025年2月10日(月)19:00開演
  ●会場:よみうり大手町ホール
  ●料金:全席指定 6,000円

【お知らせ】
2月の第2火曜のメルマガは
2/12(水)に発行いたします!

毎月本メルマガは第2、第4火曜に発行しておりますが、第2火曜2月11日が祝日(建国記念日)のため、翌日(水曜日)2025年2月12日の発行とさせていただきます。どうぞ予めご了承くださいませ。

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